春田篤志 氏 『ある分野のエキスパートがやっているから成功確率が高いのか? 』
※本インタビューは、2010 年4月下旬に行われたものです。
- 春 田
- 思いつきで、ビジネスモデルが浮かんだとか、技術が浮かんだからといって起業するのではないので、その道で、無線技術なら無線技術で何年かやっていましたとか、セキュリティなら、セキュリティのある分野で何年かやっていましたとか。
技術者としてやっていて、それで、特定分野を今の会社から切り離してもビジネスになりそうだ、という根拠があって、やっているイメージがありますね。
ただ、
「それでも IPO できるとか、潰れずに行く会社ばかりか?」
といったら、とてもそんなことはなく、淘汰されますからね。
成功確率でいうと、シリコンバレー的にタケノコのようにボンボン出てきて
「何でも試してみる。」
というのと、イスラエルで経験値がある人を集めて成功する場合とは、確率でいうと、あまり変わらないかもしれないですね。
どうなんでしょうね? - ━━━
- そうですね。
結構消えていく会社は多いかと。
イスラエルの会社とかを、時系列で調べていますが、
「あの会社どうなったのかなぁ」
と時間をおいて調べようとすると、会社の Web ページにアクセスできなかったり、以前聞いた連絡先にメールしても送信できなかったりとか、結構ありますよ。
確率でいったら、2 割が 3 割ぐらいになるレベルで、6~7 割になるわけではない。そもそもの成功確率がそんなにはないと思いますが。 - 春 田
- 経験値がある人、すごい人、ある分野のエキスパートがやっているから成功確率が高いのか? といったら、そんなことはないですからね。
- ━━━
- マーケットのニーズをうまく汲んで、開発した製品を市場へ供給できれば、市場での地位を獲得でき、売上を作っていける。
- 春 田
- いくら技術がすごくても、技術だけでは難しく、ニーズがなかったり、お客さんへ受け入れなかったりしますからね。
- ━━━
- ところで、原丈人さんってご存知ですか?
スタンフォード大学で考古学の研究を元々やっていた方で、現在は、デフタ・パートナーズという VC を、米国、イスラエル、日本を拠点にもってやっている方です。
2005 年に Intel 社と合併した Oplus 社へ投資した時の話が興味深くて...、3~4 年前、イスラエル大使館経済部の講演でお聞きした時の記憶ですが、通常のCPU の方式とは違う技術を開発している Oplus 社へそもそも投資したキッカケが、技術のプロトタイプとかは何もなくて、とにかく理論がすごかったという理由だけらしく...。
原さんは、イスラエルの方ではないですけど、日本人には類稀なる投資センスがあるなぁと。
理論だけでも、その分野に精通していれば、経験が土台にあるので、勘のレベルでも、全く不可能なのか、技術的に可能なのかどうかがわかるのが、大きいなぁと。
金融系出身の VC から投資を受けるとなると、技術者は厳しいですよね。 - 春 田
- 良さをなかなか分かってもらえない。(笑)
本当に、数字だけで、
「いつまでにどのぐらいのリターンがありますか。」
という視点でしか判断されないでしょうからね。
イスラエルですと、技術に特異性、優位性があれば、最初にキャッシュがある程度入る余地がある。技術がコアで行けると判断されれば、投資する人がいるでしょうからね。もちろん将来に売れる技術であると見込まれる必要はありますが。
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- ただ、イスラエルでは、投資判断は、そういうこともあり、日本以上に相当厳しいとか...。
- 春 田
- スタートアップが出るか出ないかという、土壌は違いますね。日本だと、どうしてもピュアなスタートアップってなくて...。
- ━━━
- ピュアは...、ないですねぇ。
- 春 田
- 産学連携からのインキューベーションなどではありますが、他は小さい個人事業的なスタートアップが多くて、コアの技術や将来のインフラになりうる技術を持っていて、かつ、資金調達をしている会社は少ないですよね。
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- 探すのが難しいですかね。
- 春 田
- 逆に、イスラエルは、大学のお金に頼るわけでもなくて、投資家からのプレッシャーのかかるお金、もしくは自己資金でやっていると思うので。イスラエルは考え方がしたたかですよね。
そこは、間違いなくあると思いますね。 (終了) - ━━━
- 本日は、どうもありがとうございました。
2010.8.27 update
